人間は高性能な計算機能(脳)を持っている。昆虫などの小さな生き物は、必要最小限の計算機能を持った生き物だ。

小さな生き物たちはこの世界を維持するためだけに決められた働きをしている。環境に合わせて進化もするが、この世界を保つことだけに忠実だ。

人間はある国に生まれ、その社会でインプットしたデータをベースに多様な考えをもつものになる。高性能ゆえ、この世界のルール「いきのこる」を守るために感情を身につけてしまった。

感情という機能を備えてしまったがために、とても単純なこの世界の仕組みを理解できなくなってしまった。人間はそれを知らずに感情に忠実な社会を作る。そんな社会はいずれ行き詰まる。この世界の本質をベースにした社会ではないからだ。

この世界の秘密に気がついた人間は、当たり前の世界の仕組みを思い出す。小さな生き物と同様、自分自身がこの世界を維持するための装置だと気づく。いままで使われていなかった計算機能部分が解放され、仕組みを理解したうえで、世界を再構築することを試み始める。

人間は人間を救済するために、苦しみを乗り越えて、本質にまた戻っていく。