あけましておめでとうございます。

2019年がどんな年になるのか、ふと大友克洋の「AKIRA」から読み解いてみようかなと思いつきました。2019年が舞台の作品なのです。改めて原作漫画を読み返しました。うん、これは、預言書としか思えないぞ。

「AKIRA」は2020年のオリンピック開催を当てたとか、アキラという存在は「原発」を表すとか、既に預言書として語られている作品ではありますが。私なりに考えたことや、見えてきたことがありましたので、新年早々長々と語っていきたいと思います。

2020/4/18追記:2020年度版の「AKIRA」考察記事も書きました。さらに深堀りしているので、ぜひどうぞ。


AKIRAのあらすじ

あらすじをこちらのサイトから拝借。

AKIRAとは1982年~1990年に連載された大友克洋によるマンガ作品、および1988年劇場アニメ版作品のことである。新型爆弾により崩壊した東京地区に住む主人公・金田は、事故をきっかけに超能力に目覚めた親友の鉄雄と共に軍が秘密裏に研究する超能力者を巡る抗争に巻き込まれる。軍が極秘に封印していた最強の超能力者「アキラ」の封印を解き世界征服を試みる鉄雄の暴走を止めるため、金田は仲間たちと協力し戦う。

引用元:AKIRA(アキラ)のネタバレ解説まとめ

AKIRAは予言書かもしれない

「アキラ」と「鉄雄」が意味するもの

私の解釈ではありますが「アキラ」という存在はもともと日本に眠っていた力の象徴だと思う。それは宇宙の根源的な力でもある。その力を引き出すカギとなるのが「鉄雄」という存在。「鉄雄」は「悪」の象徴である。「アキラ」の力は破壊と再生を起こす力。「鉄雄」の力は変化を起こす力で「アキラ」の力を呼び起こすもの。この世には善と悪がありますが、悪ってかなり重要なのです。

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進化を選択した人類

鉄雄が覚醒したシーンでは、同時にアキラの力も解き放たれ、鉄雄の力はアキラの力に吸収された。金田はその瞬間、鉄雄の意識の中に入る。鉄雄の人生の記憶からさらに深い所へ入り、細胞、分子、宇宙の記憶を見ることになる。宇宙の記憶の中で聞こえる、ミヤコの声。

ひとつの大きな力が解放された…
それが究極の状態を目指して宇宙の大きな流れとなったのだ…
アキラは人類の進化に曲折をもたらそうとしたのかもしれん…

それに対し金田は

何の為に!人類が別の進化を望んでるってのか!?

と答える。

私たち人類は、実は自らの意思で「進化」を選んでいてそれは目に見えない大きな流れでもある。人間一人一人の意思の集合体。大きな宇宙の意思。金田の言う別の進化とは、超能力を持った子供達や、身体が機械と一体化した鉄雄のような「新人類」への進化のことだと思われる。

人類は次のステージへ

争いを終わらせ精神性を高めるために、人類は既に進化を選んでいるのである。今の私たちは誰もがスマホを持ち、インターネットを仮想現実のように利用している。選択の結果は既に現れている。選択を終えたらもう元には戻れない。

ミヤコという人物はこの漫画の重要人物である。人体実験された子供の一人。映画版の扱いはひどいけど。あるシーンでのミヤコの言葉が印象に残る。

宇宙はその究極の状態を目指して流れておる…
高きより低きへ…密より疎へ… 拡散し 均一へと

その方向は一定であり不可逆である

究極の状態というのは全人類が「悟る」時かと思う。それはまだまだ先の話。

薬のちからを上手に利用するべき

「AKIRA」には力を引き出すための薬物が度々登場する。鉄雄も強い薬を摂取して覚醒してしまった。大麻やドラッグなどは「究極の状態」を覗くために存在しているのではないだろうか。「究極の状態」を理解するには、薬の力ではなく自分の力でたどり着くべきだけど。自分から逃げるためにドラッグを使用すると鉄雄みたいに悲惨なことになるから目的は重要である。

「真理がある」という理解の第一歩として幻覚剤を適切に使用することに私は賛成したい。あたまでっかちな人は目に見えるものしか信じないから。あのジョブズだってLSDのおかげでアップルを成功させた。宇宙の大きな流れを理解したからこそ「iPhone」を生み出せたのだ。

アキラと縄文人が知っていること

最近の縄文ブームもこの宇宙の大きな流れに気づいた日本人の潜在意識から来ているのだろう。アキラが瓦礫を空中に浮かばせて、DNAのような二重らせんを描いて遊んでいるシーンが何度か出てくる。そして、縄文人は渦巻のような模様を土器や土偶に刻んでいる。

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二重らせんも渦巻も宇宙の流れを表していて、永遠に変化を繰り返しながら成長していく無限のイメージだと私は解釈している。縄文人は宇宙の理を知っていたと思うし、日本人はその遺伝子を受け継いでいる。潜在意識では気づいているので、ブームとして表に現れてくる。大衆の意識は宇宙の意識とリンクしている。

新しい月の時代へ

漫画の中でもうひとつ気になったのは、鉄雄が月を破壊するシーン。ZOZOの社長が月に行くことになったり、中国が月の裏側を撮影したりと、最近月が騒がしい。東洋思想では「陰陽」というものがあって、月は陰・太陽が陽であるし、女は陰・男は陽である。METOO運動が活発になってきたのを見るに、男性社会から女性社会への変換が始まっている。鉄雄の力によって新しい月になるということなのかも知れない。それは力で物事を進める太陽という時代から、和合の月の時代への移行でもある。

アキラの力を持つひとたち

アキラの力は誰でも持っているもの。それをどう使うのかは、一人一人が決めることでもある。選択をする中で、自分の弱さを克服できず憎しみを増長させてしまう者は「鉄雄」のように自分をも飲み込む大きなパワーとなってしまう。「死」を恐れずに戦い続ける人は「金田」のように人々を導く存在となるのでありましょう。

次のページへつづく。